
子育てをしていて、「あったらいいな」と思える施設のひとつに【児童館】って入っていますよね?
でもこの児童館ってどんなメリットがあって、どんな役割があるのか詳しく知っている利用者って意外と少ないような気がします。
そこで、児童館の指導員として働いてきた私の経験をもとに、児童館のメリット、デメリット、役割などを説明していきたいと思います。
地域によって多少の違いはあるようですので、今回は、私が住んでいるところの児童館を例にしますね。
利用者が勘違いしている役割などもご紹介していきます。
もくじ
児童館のメリットって?
私が住んでいるところの児童館(市町村の管轄で各地域に設置されています)は、利用者数によって開館日が違っています。
毎日開館している児童館もあれば、決まった曜日のみ開館の児童館もあります。
毎日開館している児童館は、子どもたちが放課後毎日遊べるので、共働きの家庭が増えている中で保護者にとっては「安心」というメリットがあるのです。
しかし、曜日が決まっている児童館の近くに住んでいる子どもたちは、児童館を利用できない曜日もあるため、児童館が開いていない曜日は「心配、不安」というデメリットがあります。
ただ、このメリット、デメリットは別の児童館を比べたもの。
ではひとつの児童館の中はどうでしょう?
メリットやデメリットはあるのでしょうか?
もちろんありますよ。
例えば、メリットと言われていることに
「縦割り(学年関係なく関わること)が自然と行なえる場」
があります。
最近では小学校でもあえて縦割りの時間帯を設けている学校もあるようですが、児童館での縦割りは小学校の縦割り時間とは異なり、
「必ず関わって一緒に行動する」
必要はないのです。
一緒に遊びたければ遊ぶし、そうでなければ別々のスペースで遊ぶことができるのが児童館です。
子どもたちは自分たちで考え、行動することができる場なのです。
誰かに決められたことをやるのではないので子どもたち同士の関わり方も自然と身に付けることができる!!
これって、子どもにとってはものすごいメリットじゃないですか?
児童館のデメリットってどんなこと?
次にデメリットですが、やはり子どもたちに人気がある遊具などは取り合いになることがあります。
この時、どうしても高学年の子たちが強く、低学年の子たちが我慢するということがよく起こります。
この時、指導員は様子を見ていますが仲裁に入るのは子どもたちだけでは解決できないと判断した時だけです。基本的には子ども同士で解決させる力を育てる場でもあるので。
児童館は、小学生になれば保護者がいなくても利用ができるため、大人の目が極端に少なくなる場でもあります。
学年が上がれば上がるほど知恵もついてきますから大人の目があるところでは、下の子たちに譲ったりできる子もいます。
でも子どもだけになると
「自分が遊びたい」
という気持ちが優先されてしまって、それをとがめる大人の目が少ないので、思いやりや譲り合い、順番などができない子も多くなります。
もちろん、うまく一緒に遊ぶ場合もあるので、その辺のバランスって結構貴重な体験ができる場だと思いますが。
(あれ?そうなると、デメリットじゃなくメリットになりますか?)。
保護者の誤解!児童館の役割は学童保育と一緒?
よく保護者から誤解されていることは、
「児童館は学童と同じように子どもたちを保育する場」
ということです。
たまにお子さんが館内で利用者同士のトラブルになり(友達と喧嘩したり、それこそ上級生に遊具を貸してもらえなかったり)、帰宅して保護者に児童館での出来事を報告したとします。
子どもがトラブルになったと、児童館にクレームの電話をしてくる保護者がいます。
「ちゃんと見ててもらわないと!」
「しっかり仕事してください!」
「預かっている以上は責任を持ってください!」
などなど…まぁ、言いたい放題です。
もちろん、見ていますよ。
指導員は結構神経を研ぎ澄ませて見守っています。
でも児童館は学童保育施設と同じ感覚で利用できると思っている保護者はとても多いので、お子さんがトラブルで帰宅するとやはり許せないのでしょう。
そこで、次は児童館の役割についてご紹介しますね。
覚えておいた方がいい児童館の役割
そもそも児童館は学童保育施設ではないということを保護者の皆さんにはご理解いただきたいので、簡単に違いをご紹介しますね。
根本的に違うところは、利用料の有無です。
学童保育施設は月額が決まっていて、料金を支払って利用する施設。
児童館は、市町村管轄の公共施設なら無料で利用できる施設ってことです(同じ市町村管轄でも有料の施設はありますので、市町村管轄施設=無料とは思わないでくださいね(^^;))。
そして、もうひとつ大きな違いがあります。それは、
“定員数の有無”
です。学童保育施設は、定員が決まっています。
そして、その定員に合わせた指導員を常勤させています。
なので、子どもたちへの配慮もできます。
一方で児童館は、定員数は決まっていません。
だいたい平日放課後からの利用者数は5~60人前後。
(開館時間中ずっとその人数というわけではなく、出入りはありますが1日の平均利用者数と思ってください)
小学校が休みの日には軽く100人は超えます。
その利用者数を平日は、1人の指導員(土日祝日や学校が長期休みの時でも2人)が見るわけですから学童保育と同じだと思われては、指導員は分身の術でも取得しなくてはいけなくなります。
児童館は、大人の目が行き届いた学童保育とはまったく性質が違う、
“子どもたちが自主的に考える場”
を役割とした施設だということを覚えておいてくださいね。
児童館のメリットとデメリットと役割って何?【まとめ】
- 児童館のメリットは保護者の安心をサポートすること
- 児童館のデメリットは大人の目が少ないので子供同士で意見の衝突が絶えないこと
- 児童館の役割は学童保育施設と同じだという誤解がある
- 児童館と学童保育施設の違いを覚えておこう
今回は、メリットもデメリットもひとつずつのご紹介になりましたが、他にもたくさんのメリット、デメリット、そして役割があります。
例えば、定期的に行事を開催することは子どもたちにとって楽しみなイベントのひとつです。
自分たちで何かを作ったり、ゲームで競ったりと指導員は子どもたちが楽しめる行事を定期的に考えて開催します。
中には行事で初めて体験したことに興味を持ち、極めてしまう子どももいます。
学校では教えてくれない貴重な体験ができるのも、児童館のメリットかもしれませんね。